杉浦研究室:水産学研究室
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』というSF映画をご存じですか?
マーティーという名の少年が、デロリアンという車型のタイムマシンで
タイムトラベルをします。しかし、その燃料には、プルトニウム(核燃料)や
莫大な電力が必要で、簡単にはタイムトラベルできません。
そんなマーティーの前に、ある日突然、ドク(デロリアンを開発した博士)が
未来からやって来ます。驚いたことに、その未来のデロリアンは
「ゴミ」を燃料にして動くようになっていたのです。
私たちが思い描いているのは、この未来の技術です。身の回りに多く存在する
ゴミのようなもの――雑草、水草、木の葉、ヨシ、稲わら、木材、竹など――
これらを特殊な技術で加工処理し、養殖魚のエサとする。すなわち、ゴミを
食べ物(養殖魚)に変換する技術を開発研究しています。
現在、日本で養殖されている魚のほとんどは、イワシやサバ(あるいはそれらを
乾燥して粉にしたもの)をエサとして養殖しています。具体的には、約8kgの
イワシを食べさせると、1kgのブリ(はまち)ができます。マグロはかなり
効率が悪く、15kgのサバを食べさせて、ようやく1kg体重が増えます。
このイワシやサバは、人間の食料にもなるものです。すなわち、日本の養殖は、
8~15kgの食べ物を1kgに減らしているのです。
世界の貧しい国々では、今も栄養失調の人々が多くいます(とくに子ども)。
飢えと栄養不足は、世界第一位の死亡原因と言われています。
この地球上に飢餓がある限り、食べ物を無駄にしてよいはずがありません。
世界中のゴミを全て食料(養殖魚)に変える日を夢見て、私たちは日々研究に
励んでいます。飢餓のない豊かで平和な未来を実現するために……。
皆様のご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。
養殖とは(1)
養殖とは(2)
未来の養殖とは
雑草の消化率を高める実験
養魚池で魚を取り上げている様子
魚体成分の分析
(2018年12月作成)