大久保研究室:農村農業工学

農業土木工学(農業農村工学)の研究室です。
本研究室では、琵琶湖とその流入河川や農地における水質と
生態系の保全をめざした研究を進めています。

1.農地における水および窒素・リンなどの物質の挙動に関する研究

琵琶湖や河川の水質や生態系を保全するためには、
農地での水の動きや農地から流出する窒素・リンなどの
物質量を適切にコントロールする必要があります。
そのための基礎的な研究を進めています。

実験圃場の水田での施肥作業。粒状の肥料を機械で散布します。肥料の投入量と成分から窒素・リン等の流入量を把握します。 水位計を使用して、水田に流入する水量と流出する水量を測定します。さらに水質測定を行い物質の流入・流出量を把握します。
代かき・田植え時に流出する「農業濁水」の流出抑制方法も研究課題の一つです。 守山市の水田での調査の様子。自動採水機で12時間間隔で採水して、水質を測定します。降雨時は、さらに短い時間間隔で採水して水田から流出する物質量を測定します。

2.農地における在来魚の保全の研究

琵琶湖周辺の水田地域において在来魚を増やすために
どのような対策が必要か研究を進めています。

彦根市の農業排水路の様子。農業濁水によって濁っていますが、ニゴロブナが多く生息しています。春にはフナは水草に産卵します。 高島市の農業排水路での調査の様子。琵琶湖周辺各地の農業排水路で調査を行い、各種魚類の生息に適した環境条件の把握を行っています。
フナ等の在来魚を増やすためにプラスチックでできた人工産卵床を活用する方法を検討しています。 魚卵が付いた人工産卵床を水田に投入しニゴロブナを増殖する方法を検討しています。
在来魚がオオクチバスなどの外来魚によって食べられてしまうのを防ぐために「人工魚礁」を利用する方法を研究しています。写真はヨシ魚礁の例。 フナ魚卵の孵化やフナ稚仔魚に対する農薬の影響についても調べています(バイオアッセイ試験)。
農薬のバイオアッセイに使用したフナ仔魚 近江八幡市を流れる農地河川の白鳥川での調査の様子。農業濁水の魚類への影響把握調査を進めています。

(2018年9月作成)

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